そして、失恋をする


それからしばらく時間が経過した後、僕と千夏は河川敷近くまで来ていた。辺りはすでに暗くなっており、夏の夜空に半分欠けた月が浮かんでいる。星の数が少なく、見上げた夏の夜空は黒くぬりつぶしたようできれいには見えなかった。

「花火って、けっこう高いんだね」

千夏はコンビニで購入した、花火を手にしながらそう言った。

「これぐらいじゃね?」

そう言った僕だが、花火の値段は高く感じた。

ここ最近、夏に花火をやっていなかったから平均的な値段がわからなかったが、思ってた以上に高かった。

「さっそくやろう」

千夏はうれしそうな顔で、購入した花火に視線を向けて言った。

花火の種類は、線香花火と手持ち花火の二種類だけだった。

「私、こうして花火するの初めて」

千夏は、ますますうれしそうな顔で明るい声で言った。
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