そして、失恋をする
「寿命って。花火に命ってあるの?」

彼女が口にした表現が不思議に感じて、僕は困ったような顔で千夏を見た。

「わからない。けれど、火が消えて暗くなったときなんとなくそう思っただけ」

火が消えた線香花火を見て、千夏は小さな声でそう言った。

暗くてはっきりと彼女の顔は見えなかったが、どこか自分のことを言っているようで悲しく聞こえた。

「花火に生命があると仮定して考えたら、どこか私に似てる」

千夏は少し泣きそうな声で、自分の胸に手を当てた。

小柄な千夏だが、今はさらに小さく見えた。
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