そして、失恋をする
「消えるって、この世からいなくなるってこと?」

「そう」

僕の問いに、千夏はコクリとうなずいた。

「消えるか‥‥」

僕は消えた線香花火を見て考えた。

火はとっくに消えており、その花火がもう明るく灯ることはない。人間も消えたら、もうこの世に再び戻ることはない。比べるつもりはないが、千夏にそんな質問されたら怖く感じる。

「怖い‥‥かな?」

開いた口から、僕は思った感情を口にした。

自分の生きた存在が、花火のようにすうーっと消えたら怖く思う。

「そうだよね。やっぱり、消えるのって怖いよね」

僕と意見が一緒だったことがうれしかったのか、千夏は笑みを見せた。
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