そして、失恋をする
「千夏、そんな悲しいこと言うなよ」

泣いてる顔は千夏に見られたくなくて、僕は少し強い口調で言った。悲しいのだろう、僕の声はかすかに震えていた。

「陸‥‥」

千夏が心配そうな声で、僕の名前を呼ぶ。

「千夏のこと好きだったのに、明日死ぬとか言うなよ。もし明日、ほんとうに死ぬのなら、千夏のこと助けたバカみたいじゃないか?おまえのことを好きになった僕が、バカみたいじゃないか?どうしてくれるんだよ‥‥この気持ち‥‥」

怒りと悲しさと愛おしさ、いろんな感情が複合的に混ざって僕は感情的に言った。うるんだ瞳が、僕の視界をにじませる。

ーーーーーーせっかく、千夏のこと好きになったのに。また、同じことを僕は繰り返すのか?

人を好きになると、こういう反動もあることを理解していた。だから、今まで好きになる感情をなくしてた。けど、千夏と共に過ごしたこの短い期間に、僕はいつしか彼女のことを好きになっていた。
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