無愛想な仮面の下
4.雨は裏腹
 企画を考えるのは仕事を全部終わらせてからだ。
 採用されるのか分からない企画は仕事に含まれないのだからその辺りは厳しい。

 何日か考えているけれど、簡単に案が浮かんでくれれば苦労しない。
 何かヒントでも…と思って資料室へと足を向けた。

 資料は膨大でしかもデザート系のものばかりだから空腹時は入室厳禁だ。

 若者の出会いになるデザートって…。

 何冊かの資料を持ち、閲覧スペースでパラパラと目を通した。

 ゼリーに『好き』って書いてあればいいの?
 それじゃただの告白だし。

 じゃ『出会い求めてます!』って書く?
 そういうことじゃないんだよなぁ。

「ん……。」

 え…。

 何者かの気配がして心臓を縮み上がらせた。

 広いと言っても資料室。
 どうやって逃げよう。

 お化けを信じているわけじゃなけれど、時間も時間。
 普通の人は残っていないような時間だから変なことを考えてしまう。

 心臓はやけに早くなって鼓動が相手に聞こえないかとビクビクする。

 お化けのわけないじゃない。と真相を確かめるべき決意する。
 音を立てないように立ち上がり、そっと音のした方を覗いた。

 嘘…。またモジャ…。

 神出鬼没で彼を捕まえるのは至難の業と聞いたことはある。
 こんなところでお昼寝…というよりマジ寝?

 気持ち良さそうな寝顔に笑みをこぼして、持って来ていたカーディガンをかけてあげた。

 こんな安らかな寝顔を見るといい人に思え……なくもないんだけどなぁ。






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