LOVE DAYS
「大丈夫かな…」
「大丈夫。そう簡単にアイツ来ないよ。今、弓道で夢中だから」
「え。晴馬君って弓道とかするの?」
「あれ?お前知らなかったっけ?アイツ全国制覇するほどのつわものだけど」
「えっ!?そうなの?麻友ちゃん知ってた?」
「うん、知ってた。見かけによらずって奴だな」
「晴馬くんって部活入ってたの?」
「幽霊部員ってやつ。ただやりたい時にやるって感じだから。それに俺より頭いいから晴馬に教えてもらう方がいいと思う」
「…はい?晴馬君って頭いいの?」
「あれ?お前そんなのも知らなかったのかよ」
「はい。…興味ないので」
「わっ、晴馬泣くね。んじゃ、俺遅れっから行くわ」
ヒラヒラと手を振ったカイトくんが教室を出て行く。
「麻友ちゃん…知ってた?」
「んー…?晴馬が頭いいって?」
麻友ちゃんは鏡を見ながら唇にグロスを重ねていく。
「うん」
「まぁ、かなり。芹奈よりも頭いいっしょ?」
「えっ!?芹奈ちゃんって凄く頭いいよ?」
「だなー…でも晴馬より透哉の方がもっと頭いいってさ。毎回学年トップらしいけど」
「はい?なんなんすか、その集団…」
「てかさー…アンタが頭悪いだけじゃん。よく進学校なのに入れたな萌」
「それはとてつもなく頑張りました」
「で、総合順位は?」
「お願い。麻友ちゃん、言わないで聞かないで…」
そんなの言えるわけがない。
いくら仲がいい麻友ちゃんにだって言えない。
271位中、235位だなんて…
過去最低だよ。