吸血鬼と愉快な嫌忌者達。
「吸血鬼がなんなのかはわかった。
けど、私に何の関係があるの?」
「俺には何いってんのか分かんないけどなー」
父が空気をぶっ壊そうとしている、私と母はどうやら同じことを考えたようだ。
「ぐふっ。」
2人同時に父に腹パンを食らわせる。
父が1人で悶えている中、私と母は話を再開した。
「で、夜月にこれを話したのは2つ理由があるの。
1つ目はもうすぐ夜月に『渇き』がくるから。」
ん?ちょっと待って、今何か聞き慣れない単語が出てきたような……。
「『渇き』って何?」
「吸血鬼は定期的に血を飲まないといけないのは分かるわね?『渇き』っていうのは体が血を欲するタイミングでくるものなの。
要は、喉が渇いたから血が飲みたいって思うことね。
2つ目は、いきなりなんだけれど夜月。向こうの学校に行ってみない?」
今の説明で『渇き』が何なのかは分かったけど、いきなり転校の話に切り替わるとは思っていなかった。
軽く呆然状態だったので、理解するまでに10秒はかかった。