ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「アカリ」
「は、はい」
「ノアに服を買いに行かせた。着替えろ」
彼は、椅子に掛けられている黒いワンピースを指差す。
「え?はい……ありがとうございます」
私が着替えるため、彼はノア君を連れて部屋を出ていった。
……それだけ?
着替えを用意してくれたのはありがたいけど、調べたことについては何も意見を言ってくれない。
どうしてだろう?不安になりながらワンピースに袖を通した。
細かいレースで編まれた上等な生地で、なめらかな着心地。
吸血された跡が残った首もとを隠すためのチョーカーもついていて、すべて身に付けるとお人形のように仕上がり、ほんの少し胸が踊る。
しかしまたすぐに気分は曇った。
私には、シュヴァルツさんが何を考えているのか分からない。
こんなに良くしてくれて、優しいのに、そばにいたいと言うと突き放されている気がするのだ。
シュヴァルツさんは、私のことどう思ってるんだろう。