ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

着替え終えると同時に、部屋の扉が開き、コートを着て白手袋をしたシュヴァルツさんが入ってきた。

「あの、素敵なお洋服ありがとうございます。サイズもぴったりでした」

「そうか。俺は館へ出かける。アカリはここで待っていろ」

「え!?」

サッと背筋が冷たくなった。

来るべきときが来てしまったという心地。

この世界へ来て初めて、彼に置いていかれる。

「待って下さい!どうして館へ行くんですか!?」

「アルバから連絡が入った。ダークナイトが館にいるらしい。鍵を取り返しに行く」

「私も行きます!」

「いや、お前は来るな。ノアと待っていろ」

襟を整えるシュヴァルツさんに駆け寄り、思わず腕にしがみついて引き留めていた。

少し驚いたように、彼は私を見た。

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