ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

人と関わることを避けてきた私は、誰かを好きになったことがなかった。それがこの世界へ来てシュヴァルツさんと出会い、キスや、初めての経験をいくつもした。

信じられるのは彼だけで、優しく応えてくれることに安心して、初めて誰かに甘えた。

非現実なことばかりの中で、私はいつの間にか、シュヴァルツさんと離れられなくなっていた。

彼のことが好きになっている。

少し歪んでいるけれど、これが私の初恋だ。

彼に拒否されると、胸が張り裂けそうになる。

「アカリ様、人間界へ帰れるのですよ。嬉しくないのですか?それはもちろん、アカリ様が帰られてしまうのは僕も寂しいですが……」

「戻ったって、私の居場所はどこにもないんです」

「アカリ様……」

ノア君は私の頭を撫でてくれたけれど、シュヴァルツさんは私の体を解放し、出掛ける準備を着々と進めていくだけだった。

「ノア。俺の留守中はアルバを頼れ。お前らに手を貸すよう前払いしてある」

「かしこまりました」

「俺が一晩で戻らなければ、奴にアカリの正体を明かし、血を吸わせろ」

「はい」

「シュヴァルツさん!」

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