ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
アルバさんに私の血を吸わせる算段を立てていることがショックで、思わず彼に大きな声を出していた。
あんなこと、シュヴァルツさんだから許したことだ。
「無理です!私、シュヴァルツさんじゃなきゃ嫌です!」
「心配するな。吸血はアルバの方が手慣れている」
「そうじゃなくて……!」
血を吸われることは、自分のすべてを委ねて、差し出すような感覚だった。
それは体だけじゃなくて、心も。
そう思っていたのは私だけだったのだろうか。
他の人が私にそんなことをしても、シュヴァルツさんは平気なの?
「すぐ戻る」
「シュヴァルツさん!」
彼は私に答えず、背中を見せた。
それは記憶の中の幾多の背中と一緒だった。
目の前で彼が出ていった扉がバタンと音を立てて閉まり、放心状態の私はノア君とともに取り残された。