ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
私はしばらく床に座り込み、折った足の間に顔を沈めていた。
「アカリ様、どうか泣かないで下さい。シュヴァルツ様はすぐに戻られますよ」
でも、戻ってきたら私を人間界へ帰すつもりなんでしょう?
そうやってノア君に不貞腐れた視線を送ると、彼はさらに困った顔になり、同じように隣にしゃがんだ。
「……アカリ様は、シュヴァルツ様のことがお好きなのですね」
隠していたつもりはないけれど、いざ言葉にされると恥ずかしくなり、顔が熱くなった。
私は頷くかわりに、うつ向いた。
「住む世界が違うから、叶わないって分かってはいるんです。でも、こんな気持ちは初めてで、今まで誰かを好きになったことがないから、自分でもどうしたらいいのか……」
それに対しノア君は切ない顔をするだけで、そんなことない、という言葉は言ってくれなかった。
彼も叶わない恋だと分かっているようで、私を慰める言葉を探している。
それがさらにショックだった。