ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
しばらくふたりでしんみりとしていると、ガチャガチャと玄関の扉の鍵を開けられる音が響き、私とノア君は顔を上げて見合わせた。
やがて扉が開き、鋭い足音がこの部屋へ近づいてくる。
一瞬、シュヴァルツさんが戻ってきたのかと思ったけれど、この雑な足音のリズムは、彼のものではない。
「誰です!?」
震える私を抱き締めながらノア君が叫ぶと、足音は気にせず軽快に近付いてきて、この部屋へと入ってきた。
「よ。俺だ、俺。シュヴァルツに頼まれたからわざわざ来てやったんだろうが。アンタらの面倒見てろってな」
「アルバ様!」
以前見たことのある、ルーズな茶髪の人が現れた。
アルバさんだ……!
彼は今日は私服を着ていて、Tシャツにパーカー、黒い革のパンツにブーツ。耳にはたくさんの金のピアスがついていて、見れば見るほど、いつもの私なら怖くて近付けない部類の人。
この人、本当にシュヴァルツさんと同じ政府の高官なのだろうか。