ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

足音の正体が知っている人で一応は安堵したものの、この人には私が人間だと明かしていない。

しかも、明かせば血を吸われる可能性があるということを思い出し、親しみやすい笑みを浮かべる彼から距離をとった。

「よう、お嬢ちゃん。この間はちゃんと話せなかったからちょうど良かったぜ。シュヴァルツの女っていうだけで話したいことは山ほどあるからな」

「は、はい……」

握手を求められ、彼の顔と差し出された手を交互に見ながら、私は控えめにその手を握った。

手を握りながら、この人のことを信用すべきかどうかを考えた。

そもそもシュヴァルツさんが留守のあいだ家を頼むくらいだし、私の正体を知ればヴァンパイアはすべてを奪うだろうと忠告していた彼が、アルバさんには正体を明かして良いとまで言ったのだ。

シュヴァルツさんはこの人のことを信用している。

お金を渡しさえすれば、裏切らない人だということだろうか。
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