ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

カーテンの閉めきられた暗い部屋へ連れられ、十人がけのテーブル席に座るよう促された。

端にアルバさんとふたりで座り、コウモリのノア君は私の肩に。その向かいの席に、彼女が座った。

燭台のロウソクだけが、この部屋を照らしている。

目の前にも五つのロウソクが立てられた燭台が置いてあり、オリーヴィアさんとはそれを隔てて向き合った。

こんな部屋にずっといたら、頭がおかしくなりそうだ。

「……なにがお聞きになりたいのです?」

ロウソクの灯に照らされると、彼女の目の隈がくっきりと浮かび上がった。

私はギョッとして顔を強張らせたが、アルバさんは彼女の様子にはかまわず、すぐに話を切りだした。

「さっき言ったとおりだ。オリーヴィア、アンタは先月、人間界へ四回旅行してる。その四日間、何をしていたのか答えてもらおうか」

「……それは門番の方にもお話しました。人間界の『トゥーン・ハーモニー・オーケストラ』という楽団の公演を聴きに行ったのです。素晴らしい楽団で、音楽家として、どうしても行きたかったので……」

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