ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
それは、そうかもしれないけど……!
ここで黙って待っているなんて、私にはとてもできない。
「……アルバさん。私と取引しませんか」
「取引?」
お金なんて持っていないけれど、私はヴァンパイアなら誰もが欲しがるというものをひとつだけ持っている。
「私の体には、極上の血が流れています」
私はチョーカーをずらし、隠れていた吸血の跡をわざとアルバさんに見せた。
彼はゴクリと喉を鳴らした。
肩に乗っているノア君が、心配そうに「アカリ様?」と囁いたが、私はやめなかった。
話を聞いているだけだったオリーヴィアさんも、口に手をあてて驚いている。
「アルバさん。好きなだけ私の血を吸っていいですから。その代わり、シュヴァルツさんのところへ連れていってくれませんか」
「お嬢ちゃん……」
「お願いします」
ギュッと目を閉じた。
シュヴァルツさん以外の人に吸血されるのだと思うと、恐怖で足が震える。