ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

「だいたいな、アンタと取引したなんてシュヴァルツに知られたら縁を切られる。アイツはオレの上客なんだから、面倒は起こしたくねーんだよ」

アルバさんがガシガシと前髪をかき上げると、眉間の皺がくっきりと浮かび上がった。

困らせているけれど、でも彼はため息をつきながらも、「ほら」と私に手を差し出した。

「アルバさん……」

「行くんだろお嬢ちゃん。早く掴まれよ」

私は手をとり、彼に身を寄せて、腰を抱えてもらった。

不思議……。

彼とはシュヴァルツさんを助けたいという目的が一致しているけれど、それだけじゃない。

シュヴァルツさんに対する気持ちが恋なら、この気持ちはなんて言うんだろう。

この関係が“友達”っていうものなんだろうか。

友達というものが一体どんなものか、私は知らないけれど、こうして助け合い、意見を折り合わせながら、前に進んでいくことをいうのかもしれない。

「アルバさん……あの、ありがとうございます」

急に気恥ずかしくなり、そして嬉しかった。

それはアルバさんも同じようで、彼は顔を赤くして、目を合わせようとはしない。

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