ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

「では次の品です!一万年前に描かれた盲目の画家ルドルフの風景画!」

その後も、高価な品が次々に競りにかけられ、その度にホールの中はうるさいくらいの歓声に包まれた。

隣にいるアルバさんの顔を見上げたけれど、楽しそうにオークションを観覧しているだけで、シュヴァルツさんを探しに行く素振りは見せない。

二十品ほど終えただろうか、黙って見ていることに限界を感じ始めたころ、会場は異様な雰囲気に包まれていた。

「さあ、続いては……皆さまお待ちかね!このオークションのために我々がご用意致しました、最高の品々をご覧に入れましょう!」

ふたりの女性が大きなワゴンを押して、クロスのかけられた品物を運んでくる。

その品物は大きく、クロスの中でモゾモゾと動いていた。

まさか……。私は息を飲んだ。

勢いよくクロスがとられ、その姿にライトが当てられる。

「ご覧下さい! 純潔の人間です!」

悲鳴に近い歓声が響き渡った。観客たちは一斉に立ち上がり、頭の上で見せつけるように拍手をし始める。

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