ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

立ち上がったヴァンパイアたちの隙間から、目を凝らしてステージを見た。

そこには赤いドレスを着せられた女性がいて、すでに泣き腫らし真っ赤に充血した目で、テーブルに座らされている。

やっぱり、人間……!

たしか、行方不明事件の最初の被害者だ。ニュースで出ていた笑顔の写真とは、変わり果てた姿になっていた。

両手首を手錠で縛られ、足はヒールの高い赤い靴を履かせられている。

彼女に逃げる気力など残っていないらしく、ただすすり泣くだけだった。

「二万!」

「二万五千!」

「二万五千五百!」

今までに競られてきた品々とは桁違いの金額のコールが、そこかしこから聞こえてくる。

私は恐怖のあまり吐き気すら催していた。

隣の席を見ると、アルバさんもうっすらと笑みを浮かべて人間の競売の様子をショーでも見るかのように眺めており、それがさらに私の吐き気を促す。

「三万!」

わずかな金額差で競り合っていたところに、私のふたつ隣にいたハインリヒという人が手を上げ、大きく上回った金額をコールした。

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