ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
赤色のドレスがひとり、青色のドレスがひとり、黄色は水無月さんだった。
私は心の底からホッとして、先ほどまでふたりで危機と戦ったシュヴァルツさんの顔を見上げた。
「よく見つけてきたじゃないか」
「落札済みの品を保管する部屋を見つけて、そこに並べられてたのを連れてきた。眠った女三人抱えて歩くのはさすがに骨が折れたがな。この石もそこで拝借した」
アルバさんは手の中の宝石を見せた。そしてすぐにそれは不要になったようで、ゴトン、と足元の廊下に捨て置いた。
「で、シュヴァルツ。これからどうするんだ。あとは必要なもんは鍵だけだろ」
そうだ。オークションから逃れ、被害者の女の子たちが戻ったことは大きな収穫だが、まだ肝心なものが手に入っていないのだ。
するとシュヴァルツさんは、おもむろに私へと向き直ると、腕の中で眠っているノアくんをペシンと叩いた。
「ちょっと、シュヴァルツさん、ノアくんはまだ目が覚めないんですから……」
「ノア。いつまで狸寝入りをしている気だ」
すると、黒い真ん丸のボールがピクピクと動き、パチリと大きな瞳が開く。
「はっ、シュヴァルツ様、もう起きてもよろしいのでしょうか!」
すぐに羽を出現させたノアくんは、元気そうにパタパタと私の腕から空中へと浮かび上がった。
私は唖然とした。
「ノアくん、起きてたんですか!?」