ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「お願いシュヴァルツさん。ここにいさせて下さい。困らせてることも、迷惑をかけていることも、貴方を不幸にしていることも分かってます。だから冷たくてもいい。いくらでも血を吸っていい。純潔だっていらない。全部、全部シュヴァルツさんに差し出すから、だから……」
シュヴァルツさんは赤い瞳で、じっと私を捉えていた。
「……アルバ」
「あ!?なんだよ、早くしろ!奴らが入ってくるぞ!」
「扉を開けて、その人間達を先に帰せ。俺はアカリと話すことがある」
そう言いながら、アルバさんに向かって扉の鍵を投げた。
「ったく、少しだぞ!」
それをアルバさんがキャッチしてすぐに鍵穴に差し込み、捻りを加えると、ガッチャンと大きな音を立てて白の扉の鍵が開く。
扉を開ける前に、アルバさんは女の子たちの頭にひとりずつ手をかざし始めた。
異様な光景だが、女の子の頭から光が抜かれていく様子を見ていると、おそらくあれが例の“忘却の術”だとすぐに分かった。