ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「会いたい……会いたいです……会いたい……シュヴァルツさん……」
想いを言葉にすればするほど、涙が溢れてくる。
人を恐れず、逃げることをやめた。友達ができた。家族と話せるようになった。前を向いて歩けるようになった。自分の幸せをちゃんと願えるようになった。
シュヴァルツさんに出会って、私は変われた。
でも、相変わらず毎日ここで泣いているのは、貴方がどこにもいないから。
「……また泣いているのか」
──え?
その声は、背後からだった。
膝小僧につけていた顔が浮かせ、ゆっくりと後ろを振り返ってみる。
そこには外の光が射していて、桜の花びらが数枚舞っている。
ひらりと迷子の花びらが落ちた先には、私が二年間探し続けていたあのシュヴァルツさんが、あのときの姿のままで静かに立っていた。
夢かと思った。そうだ、夢だ。ここへ入るときには桜はまだ咲いていなかったもの。
ついに彼に焦がれすぎて、幻覚が見えているのかもしれない。