ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「なんで……? どうして……?」
「色々と時間がかかった。あの後、裁判ばかり続いたからな」
「裁判って何ですか!?あの後どうなったんですか!? 騎士団に捕まって、それで……!」
扉が閉まったときに途切れたままの記憶が甦り、あのときの緊張感が戻ってくる。
彼がどうなったのか分からなかったから、私は一日もあの日を忘れることができず、涙が出ぬ日がなかったのだ。
「簡単だ。人間を誘拐し連れ回し、政府に背き欺いた。オークションでは人間の競りに加担した。どれも重罪だ」
「そんな……!」
シュヴァルツさんは涼しい顔で笑っているが、私は全く納得がいかない。
もう一度ヴァンパイアの世界に行って、文句を言いたいくらいだ。
「オリーヴィアという女が俺の無実を証言したが、生憎、俺は有罪だ。当然、門番の任を解かれ、しかるべき裁きを受ける」
「どうしてですか!? シュヴァルツさんは何も悪くない!無実なのに!」
「俺は無実ではない。お前を誘拐したのは俺だ」