ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
相変わらず納得のいかない理論にムッとして、私は立ち上がって暖炉に向き直り、ズカズカと近づいていく。
「納得いきません!一緒に向こうへ行きましょう!私がシュヴァルツさんの無実を証言しますから!」
何もない暖炉に喧嘩を売っている図を、彼は後ろで嘲笑うだけだった。
私もめちゃくちゃなことを言っている自覚はあった。
思えば、他に聞きたいことはたくさんあったはずなのに、こうして実物を目の前にすると、胸が張り裂けそうで何も思い付かない。
「もう、ここからあちらの世界へは行けない」
「え?」
「歪は塞がれ、館は閉じられた。じきにこの館が壊されれば、ふたつの世界を行き来する術は無くなる」
振り返って彼を見た。
では彼はなぜここに来たのか。もしかして、これからもずっとここにいてくれるのか。
自分の疑問がやっと明確に思い浮かんできて、希望の眼差しを向けた。