ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

「アカリ。立てるか」

もじもじと動いていたところに彼の手が伸ばされ、私は緊張しつつも、その手をとって立ち上がった。

シュヴァルツさんはまた肩に手を回し、私の体を抱き寄せる。

「街へ戻る。黒の塔にネロがいるはずだ。アカリ、お前は何も喋らなくて良い」

「わ、分かりました」

「時間が立てば、お前の体内には再び人間の血が湧いてくるだろう。そのときはまた減らさねばならない。悪く思うな」

あの行為がこれからも継続されるとの宣言に、また胸が高鳴った。

まだ体中が熱いのに。

どうしよう、この人といると、心臓がもたないよ……。



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