ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
優雅な宴を開いて人間界を愛でるけれど、その腹の中では誰もが人間を手に入れたくて仕方がない。
その欲望を、人間界に一番近い館へ来て誤魔化しているだけだ、と。
そこへ私のような人間が迷い込んでいると知られれば、皆が押し込めていたその欲を満たそうと群がってくる。
納得した。
シュヴァルツさんが逃がしてくれなければ、ヴァンパイアたちの欲望のままにされていたのかもしれない。
「シュヴァルツさん……」
私を抱き寄せてくれる彼の手に触れて、キュッと握った。
彼のそばを離れたくない。私が信用できるのは、彼だけだ。
「どうした。怖いか」
「……はい」
「悪しきヴァンパイアを捕らえさえすれば、すぐに帰れる」
彼の言葉は、甘く響いた。
……本当にそうなのかな。
先程から、胸騒ぎがするのだ。
体中の血が沸き立つような、なんとも言えない不安が押し寄せてくる。
まるで私の中に流れている“極上の血”が、何かを知らせようとしているみたいに。