ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
彼は口を開き、私の首に噛みついた。
「あっ……」
同時に彼が舌を這わせているからか、さチクリとした痛みは軽減され、むしろそのわずかな痛みすら気持ち良いと感じた。
ちゅ、という血を吸われる音が響き始め、シュヴァルツさんの浮かび上がった喉仏が、ゴクリ、ゴクリと何度も動いて鳴っている。
私の体の中のものを彼が吸っているというのは、思っていた以上に羞恥心が煽られた。
「シュヴァルツさん……あっ……」
全身の力が抜けて、もう彼にされるがまま。
すると投げ出した手に、彼の手が絡んでくる。
「……悪いが、まだ吸うぞ」
指が一本ずつきちんと絡み合い、押し付けるようにキュッと握られている。
好きなだけ吸ってほしいとばかりに、私も彼に無意識に体を広げていた。
シュヴァルツさんは最初は事務的に血を吸っていたけれど、やがて森でのときと同じように、余裕のない表情に変わっていく。
「くそ、お前の血は、まるで毒だっ……」
いつもとは違う深く求めてくる声。
これも、私の持つ“極上の血”の力なのだろうか。
シュヴァルツさんになら、いくら求められてもいい。もっと求めてほしい。
どうしてこんなふうに思うんだろう。