年下御曹司は初恋の君を離さない

 だけど、先日どうして連絡手段を絶ったのかと、友紀ちゃんに理由を聞いていたので曖昧に答える。
 そんな友紀ちゃんの心情を知らない紀彦は呆れ顔で口を尖らせる。

「で、どれを教えても特に姉ちゃんに害はないかなぁと思って、高校生の俺は友紀にうちの住所と俺の連絡先を教えたわけだ。ってことで、わかっただろう?」
「ん?」

 紀彦が言っている意味がわからず首を傾げると、彼はおせんべいを食べ終えたようでビニール包装をテーブルに置く。

「だから! あの定期便だよ。友紀から聞いてるぞ? 葉書を姉ちゃんに送っていることは。葉書を送りたくて俺から住所を聞きだしたんだからな、友紀のヤツ」
「あ……ああ!!」

 紀彦が言っているのは、年四回、季節の変わり目になると来る、友紀ちゃんからの絵はがきのことだ。

 どうやって住所を調べたのだろう。そんなふうに不思議に思っていたわけだが、これで一つ謎は解けた。
 友紀ちゃんは弟である紀彦に我が家の住所を聞いていたのだ。だからこそ、絵はがきを私の元に届けることができたというからくりである。

 友紀ちゃんはまだ色々と秘密があると言っていたが、絵はがきの件もその一つだったのだろう。

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