年下御曹司は初恋の君を離さない
さすがにうちの両親に会うのは今回が初めてという感じはしなかった。それは初めから思っていたことだ。
だが、ここ数ヶ月でせいぜい二、三度ぐらい顔を合わせたぐらいだと思っていたのに……。
予想もしていなかった現実に目眩がしそうだ。
口を開けたままでただ驚いている私に、紀彦は同情の視線を向けてくる。
「結構頻繁に来ているよ?」
「は……はぁ!?」
「姉ちゃんがいないときに」
「それこそ、どうして!!」
思わず声が大きくなりそうになるのをグッと堪え、私は慌てて口を押させた。
だが、ふと先日された友紀ちゃんからの告白を思い出す。
私との連絡手段をなくしたのは、悔しかったからだと言っていた。
私の前に立つときには、男として認識してもらいたい。だから、この八年頑張ってきたと。
友紀ちゃんが日本に戻り、小華和堂に入社していたのはかなり前のことだ。
それなのに、私の前に現れなかったのは……彼の意地だったのかもしれない。