年下御曹司は初恋の君を離さない
男として認識してもらいたい。その一心だったのだと今なら理解できる。
できるが、まさか私がいないところでうちの家族と繋がっていたなんて……!! 会っていたなんて。実家に遊びに来ていたなんて!!
想像もしていなかった現実に、ため息しかでてこない。
友紀ちゃんには昔から驚かされてばかりだ。それは今も尚、継続中である。
ソファーの背もたれに身体を預けて項垂れていると、紀彦は憐れんだ目で私を見つめた。
「友紀が留学するってときにさ。義兄になるからって言ったけど。まさか本気だとは思わなかったんだよなぁ」
「……」
「だけど、この八年。しょっちゅう家に来て、父さんたちと仲良くなっていく友紀を見たら……あながち嘘じゃなくなるかなぁって」
「っ!」
「外堀埋められまくっているよ。姉ちゃん、どうする?」
「ど、どうするって……」
紀彦の言う通りかもしれない。会社でも外堀を埋められていると感じていたが、まさか家まで手を伸ばしているとは。
覚悟してくださいね、そう言った友紀ちゃんの顔が思い浮かぶ。