年下御曹司は初恋の君を離さない
「このまま、二人きりになれるところ行こうか?」
「っ!!」
何を言い出した、この子は! 冗談はほどほどにして! そんな気持ちを抱きながら彼の顔を見上げる。
きっと悪戯っ子のように意味深な笑みを浮かべ、私をからかっているのだろうと思っていた。
だが、彼の顔を見て心臓が止まりそうになってしまう。
「友紀……ちゃん?」
そこには真摯な瞳をした友紀ちゃんが、私を見下ろしていた。
その視線に情熱的なものを感じて、ますます胸の鼓動が高まってしまう。
長い睫に隠されたキレイな瞳は、あの頃のまま。だけど、今はそこに男性らしい力強さも加わっている。
私の中の『友紀ちゃん像』がまた塗り替えられていく。
私より背が低く、守ってあげたくなる女の子。そんな印象だった友紀ちゃんだったのに……
すっかりオトナの男性に変貌した友紀ちゃんに、あの頃抱いていた感情とは違うものが生まれているのが自分でもわかる。
一人の女子高校生ではなく、立派なオトナの男性へと印象が変わっていく……
目が離せない。そして、彼も私から視線を逸らそうとはしない。
ジッと私を見つめるその視線に、私は心も身体も捕らわれていく。そんな感じがした。