年下御曹司は初恋の君を離さない


「お礼なんていいから。ほら、早く学校に行きなさい」
「で、でも! お願いします」
「本当にいいから」

 遠慮する私に、彼女は必死に訴えかけてきた。

「お礼もそうなんですけど……ま、まだ怖くて! 話を聞いてほしくて、あの……安心したくて」

 何度も頭を下げる彼女を見ていたら、思わず噴き出してしまった。
 そんな私を、彼女は可愛らしい目で見つめてくる。
 その仕草が我が家の愛犬にとても似ていて、思わず可愛がりたくなってしまう。

「わかったよ。このメッセージアプリを使っている?」
「は、はい!」
「じゃあ、ID交換しようか」
「ありがとうございます!」

 ピョコンと再び頭を下げたあと、嬉しそうにほほ笑む彼女はとても可愛い。
 ID交換をし、友達認証をする。すると、彼女は確かめるように小さく呟く。

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