年下御曹司は初恋の君を離さない


『良かったら待ち合わせて一緒に電車に乗ろうか』

 今朝、あんな出来事があったばかりだ。
 電車に乗る度にイヤな気持ちになったり、怖くなってしまったりするだろう。
 これが原因で学校に通えなくなってしまっては、彼女が可哀想だ。

 幸い、私と同じ駅から電車に乗るようだし、私が通う大学は終点である。
 電車に乗っている間は一緒にいることができるだろう。

『良いんですか? 未来さん。ご迷惑じゃないですか?』

 すると、すぐさま友紀ちゃんからメッセージが入る。
 とても恐縮している様子が手に取るようにわかり、私の頬は思わず緩まった。

『迷惑だったら、声をかけないから大丈夫。明日、改札集合でいいかな?』
『はい、大丈夫です。よろしくお願いします』

 ペコリと頭を下げているウサギのスタンプが送られてきた。
 その愛らしいウサギは、どこか友紀ちゃんに似ているように思える。
 可愛い妹分ができて嬉しい反面、どこか使命感を覚えた。

 彼女を守ってあげなくちゃ、なんて思うなんて騎士みたいな心境だ。

 残念ながら、見てくれだけが男性っぽいだけで、中身は彼女と変わらない女である。
 だけど、外ではうまく隠しきれているはずだし、友紀ちゃんを守ることはできるだろう。

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