年下御曹司は初恋の君を離さない


 男と一緒にいると思わせることができれば、痴漢だって可憐な友紀ちゃんに魔の手を伸ばすことはないはずだ。
 
 最初は彼女を守るのは私の使命、そんな気持ちで彼女と毎朝電車に乗り込んでいた。
 だが、日が経つにつれ、姉妹のような関係になっていく。

 友紀ちゃんとは、毎朝通学時に顔を合わせるだけだ。
 あとは、メッセージアプリで今日の出来事などのメッセージを送り合うだけの付き合いである。
 だけど、その短い時間がとても大事に思えるほど、彼女と親密な仲になっていった。

 とにかく友紀ちゃんは可愛い。
 永妻友紀ちゃん、十六歳。高校二年生。うちの弟、紀彦と同じ歳だと聞き、ますます親近感が沸いてきた。

 毎日二十分だけの逢瀬。だが、その時間は私にとって癒やしの時間になっていくのに、時間はさほどかからなかった。

 愛くるしい表情が可愛いのはもちろんなのだが、友紀ちゃんが私のことを慕ってくれているというのがヒシヒシと伝わってきて、気を引き締めていないと頬が緩んでしまう。

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