年下御曹司は初恋の君を離さない


 私は彼女のボディーガードをしているというのに、デレデレしてしまっては効力は半減してしまうだろう。
 だが、可愛いモノは仕方がない。こればかりは、友紀ちゃんが可愛すぎるのがいけないのだ。

 私はいいお姉さん、そして彼女は可愛い妹。
 そんな幸せな関係がずっと続くと思っていた私は、おめでたいヤツだったのかもしれない。

 彼女と出会い、半年が経ったときだった。
 友紀ちゃんの様子がおかしいことに気がついたのだ。

 考えてみれば、一週間前ぐらいから様子がおかしかった。
 まさか、また痴漢に狙われてしまったのだろうか。

 朝はこうして私と一緒に電車に乗っているので、痴漢に遭うことはなくなっているはずだ。
 しかし、帰りはどうしても一緒の時間という訳にはいかない。

 なるべく帰宅ラッシュ時は避けて電車に乗るようにしていると言っていたが、イレギュラーでラッシュ時に乗らなければならない時だってあることだろう。

 仕方がないこととはいえ、彼女の表情を曇らせてしまう原因を少しでも取り除いてあげたい。
 年長者として、妹分の憂いをくみ取ってあげたかった。

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