年下御曹司は初恋の君を離さない

「友紀、お前にお願いがあってな」

 ニヤリと口角を上げるあたり、本当に食えない父親だ。
 警戒していると、テーブルの上にA4サイズの封筒を置いた。嫌な予感的中のようだ。

「お断りいたします」

 速攻で断る俺を見て、父さんは慌てたように封筒の中身を出してきた。

「おいおい、そんなに早く断らなくても」

 封筒の中から出てきたのは、やはりお見合い写真だった。ついでに釣書も用意されている。
 まさか未来さんがいる、このタイミングでお見合い写真を出すことはないだろう。

 チラリと未来さんの方を見ると、伏せ目がちにしている。ただ、その表情はいつも通りクールな秘書の顔をしていてなんだか面白くない。

 実は見合い写真は会長であるじいさんからも会社に届けられているため、未来さんも俺に縁談が来ていることは知っている。
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