年下御曹司は初恋の君を離さない
「足を崩せと言っている。未来……なんだか今日疲れているだろう?」
「えっと……」
「悪い。俺のせいだな……。無理させて申し訳ない」
頭を下げる藤司さんに、慌てたのは私の方だ。
「大丈夫ですってば、気にしないでください」
「……」
「えっと、ほら……足崩して楽にさせてもらいますから」
無言の圧力を感じ、私は慌てて正座をしていた足を崩す。すると、ようやく藤司さんの表情から硬さが消えた。
「仕事終わりで疲れているのは承知している。だが……もうしばらくだけ付き合ってくれ」
「え?」
何度も聞き返したのだが、藤司さんの口は堅い。
先ほどの言葉の意味を、今は教えてくれるつもりはないようだ。
あれもこれも教えてくれないことに、疑問は募るばかりである。だが、頑なに口を閉ざす藤司さんを促すのは難しいだろう。
お茶とお菓子をいただいた私は、もう一度店先に戻って大将にお菓子の感想とお礼を言う。