年下御曹司は初恋の君を離さない
「それはしょうがない。人って怖くなると、どうしたって声はでなくなるものだから。それは仕方がないことだよ」
不甲斐ないなんて思わなくたっていい。
恨むべきは愚かなことをした男であって、友紀ちゃんが気に病む必要はないはずだ。
そう言ったのだが、彼女はフルフルとか弱く首を振る。
動きを止めた友紀ちゃんが、私の顔をジッと見つめてきた。
その目は、どこか潤んでいるようにも見える。
その上、顔も真っ赤だ。だが、とても真剣に私を見つめているのだけはわかる。
どうしたの、そう声をかけようとした時だった。
いきなり友紀ちゃんが勢いよく立ち上がると、両方の手をギュッと握りしめる。
その様子に呆気に取られていた私に、彼女は真剣な眼差しを向けてきた。
「好きです!!」
友紀ちゃんが何を言い出したのか。一瞬わからなかった。
呆然としたまま、友紀ちゃんの顔を見つめていると、彼女はムンと唇を横に強く引く。
そして、再びその可愛らしい唇が愛を叫んだ。
「未来さんが、好きなんです!!」
まさか、と口に出しそうになったが、それはすんでの所で止めておいた。
目の前の友紀ちゃんは真剣だ。彼女の表情を見れば、すぐにわかる。
まっすぐな気持ちをぶつけてきた彼女は、色々な気持ちと葛藤していたはずだ。
こんなふうに私に告白をしたら、下手をすれば二度と会えなくなるかもしれない。
すぐに日本から離れるのだから、実際会うことはできないだろう。
だからこそ、その前に告白しておきたかったのだろうか。