年下御曹司は初恋の君を離さない

「未来さん。俺、未来さんのお手製の料理食べたいです!」
「えーと」

 ますます恥ずかしくなって頬を赤らめていると、背後から苦笑いが聞こえてきた。
 振り向くと弟の紀彦が仕事から帰ってきた様子で、ネクタイを緩めながら肩をすくめている。

「友達と自分の姉ちゃんがイチャイチャしているところ、弟としてはあんまり見たくないんだけど」
「やっと仕事から解放されたんだから、いいだろう? 仕事場では未来さん、なかなかクールな秘書の顔が崩れないんだからさ」

 そういってなぜだかブスッとふくれっ面の友紀ちゃんに、私は慌てて抗議する。

「あ、当たり前でしょ!? 仕事中なのよ? 真剣に取り組まなくちゃ」
「ほら、こうやって真面目一筋なんだよね。副社長室には俺と未来さんの二人きりなのにさ。少しぐらいは俺を甘やかしてもいいと思う!」
「いいわけないでしょ!!」

 フイッと顔を逸らすと、友紀ちゃんは紀彦に向かって恨み節を炸裂させる。
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