年下御曹司は初恋の君を離さない

「貴方の婚約者がこの女? こんな女に価値はないわ!」
「価値……ですか?」

 地の底から響くような低い声に、私のみならず畠山さんも青ざめた。
 友紀ちゃんは私の肩を抱き寄せ、畠山さんに辛辣な言葉を投げつける。

「貴女が言う、価値とは一体どんなものなのでしょう?」

 冷たく言う友紀ちゃんに一瞬怯んだ畠山さんだったが、気を取り直したように口調を強めた。

「そんなの決まっているわ。家柄や財力、権力……そういったものよ。この女には何一つないわよね」

 鼻を鳴らして得意げな彼女に、友紀ちゃんは憐れんだ目で見つめる。

「しかし、それは貴女の力ではなく、家元ならびに次期家元のおかげ。しいては畠山家の力。貴女自身の力ではない」
「そ、そんなこと……!」
「関係ないと言うのですか? それなら貴女は哀れなほど頭が弱いですね」
「なっ……!!」
「そんな貴女と一生を共に歩くなんてまっぴらごめんですよ」
「!!」
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