年下御曹司は初恋の君を離さない

 言葉が出ないほど怒り心頭の畠山さんは、顔を真っ赤にして身体を震わせている。
 そんな彼女を一瞥したのち、友紀ちゃんは私に視線を向けて甘くほほ笑む。

「私の初恋は未来さん、そして結婚するのも未来さん、一生を遂げるのも未来さん以外は考えられませんから」
「なっ! 失礼よ。私に向かってそんなことを言うなんて!」

 畠山さんが甲高く吠えると、友紀ちゃんは一瞬にして表情を変えた。彼の目の冷たさに、畠山さんは怯えたように後ずさりをする。

「失礼なのは、畠山さん。貴女の方だ」
「なっ!」
「私の未来さんを、どれだけ苦しめれば気が済むんだ。それも貴女の我が儘のせいで彼女がどれほど傷ついていたか」

 友紀ちゃんは吐き捨てるように言ったのに、畠山さんはどこまでも強情だ。
 今度は私に向き直り、激しく怒号し始めた。

「離れなさいよ。小華和さんに不釣り合いな女なくせに」
「何を言って」

 友紀ちゃんが制止に入ろうとしたが、それを手を伸ばして止めた。
 そして、私は畠山さんに真っ向から戦うつもりで彼女に視線を向ける。

 私の反抗的な視線に怒りが込みあげたのか。彼女の口は止まらなかった。
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