年下御曹司は初恋の君を離さない

「あとは智子かな」
「智子ちゃん?」
「そう。まぁ、アイツは俺が協力を仰いだ訳じゃなくて、勝手に俺に未来さん情報を流してくれたんだけどね」
「情報……」
「あはは。今日の未来さまは一段とお美しかった! とか、歌劇団も真っ青なほど素敵すぎる! とかね」
「……」
「智子には功労賞をあげたいね。未来さんに悪い虫がつかないよう、三人オヤジたちより目を光らせていたから」

 もう、何も言うことはない。
 とにかく私は、小華和友紀の手の内で躍らされていたというわけだ。

 腹が立つ前に呆れてしまい、なんだかおかしくなってきた。思わず噴き出した私を見て、友紀ちゃんが目を丸くさせて驚いている。

 こんな告白をしたから、私が怒り出すとでも思っていたんだろう。
 友紀ちゃんに一泡食わせることができて、溜飲も下がる。

 不安そうに私を見つめる彼は、私を裏切らないだろう。ずっとずっと私だけを見つめてくれるはずだ。
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