翼の折れた鳥たちは
ちょ、ちょっと……!!
抗議の眼差しをチカラくんに向けるけれど、素知らぬ顔している。
その一部始終のやり取りを見ていた敦也くんが、吹き出した。
「葵ちゃん狙いなら、病院来るなよ」
目尻に涙を貯めながら、敦也くんが口を尖らす。
なっ、何言ってんのよ!!敦也くんまで……!!
今度は敦也くんに抗議の視線を送るけれど、こちらの敦也くんだって素知らぬ顔している。
もう眩暈してきた。
そんな私が頭を抱えている姿を意地悪そうな笑みを含んだ眼差しが向けられていることに気が付く。
敦也くんとチカラくんだ。
「もうっ!!」
頬を膨らました私を見て、今度は2人揃ってゲラゲラ声をたてて笑い始めたのだった。