嘆きの断片
特殊な素材のようだとじっくりと眺めて、これは適当に裁縫されたものじゃなく複数の人間が時間をかけ手がけていると解って感嘆した。

 破れにくいよう、動きやすいように考慮され、丁寧に作られている。

 そのうえで、個人個人に合う力が付与されているようだった。パーシヴァルに目を向ければ、ラクベスとは違う色の淡い光が全身を包んでいる。

「元は職人という方がほとんどです」

 石動はそれにマントを見つめ、

「もしや、君の着ている服も」

「はい。全て彼らの製作したものです」

「え、お前のも?」

「農園員(ファーム・パーソナル)もいるぜ」

 食は大事だからなとパーシヴァルは尋ねた室田に答える。
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