朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「お前らは少し痛い目見ろ。娘ちゃん、流夜が小娘のこと話さなかったの、俺からも釈明させてくれ。こいつは結構警察のマル秘事項なガキでな。娘ちゃんはあくまで警察外の子だから、言わなかったっつーか言えなかったんだ。親代わりとして謝る。すまなかった」
「……なんとなく言えない方なのかなーとは思っていたんですが、その……色々意味が分からない単語が飛び交っているような……? 気がするのですが……」
「まあそうだろうな。流夜、小娘、説明責任はおめーらにあんぞ」
龍生さんはそれだけ言い置いて、戻って行ってしまった。
「……何がわからない?」
流夜くんがまだ痛むらしい額を押さえてこちらを見遣る。
「えと……いつきさん? が男の子だったとか、同期とか?」
「兄さん、私から」
斎月さんが軽く手を挙げた。
紅くなった額の顔で、私の向かいに座った。