朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「勿論だ」
「そう――じゃあ流夜兄さん、私のことは別に隠すことはないよ。咲桜さんに心配はかけたくないけど、私のことも言っていいのかわからなかったってとこ?」
「……ああ」
斎月さんは流夜くんから私に視線を変えた。
じゃあ簡単に自己紹介。と。
「言えなかったのはあれですかね。同業者ってのは、同じく犯罪学者です、ていう意味です」
「………」
繰り返された説明。私の頭は遅れて理解を始める。
中学生なんだよね? まず驚くべきところだ。さすがに年下とは思っていなかった。
そしてあめりかじだいのだいがくのどうきせい? え、もう大学出てんの? それで、え? 学者さん?
頭の中に言葉が乱立して困っていると、流夜くんは眉間に皺寄せて斎月さんを見返した。
「そこまで話していいのか?」