朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「あたしがどうして忘れられると!」


「そうよ! 笑満のお嫁先をオトのところに確定してたあたしたちの立場がないじゃない!」

「「そんなこと思ってたの⁉」ですか⁉」


笑満ちゃんまで一緒に驚いた。


「あら、オトは嫌だった?」


「いいえ全く全然そんなことは!」
 

けらっと言われて、必死に頭を横に振った。


「あの、お母さん? ほんとにそんなこと考えてたの?」
 

笑満ちゃんが恐る恐る問うと、生満子さんはにっこり笑った。


「だって笑満に、「オトのことすき?」って訊いたら「うん」て言ってたし、オトに、「笑満のことお嫁さんにしてくれる?」って訊いたら恥ずかしそーに肯いてくれたのよ? 憶えてない?」

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