朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「……素直だな。俺も、こんな中途半端なとこで言う気じゃなかったんだけどな。なんか、早く言いたくなった」


「あああ、笑満に気を遣わせてしまったかもしれないし父さんや夜々さんも絶対なんか企んでる! だって今日流夜くんとこいていいって言ってくれたんだよ⁉ 絶対何かあるでしょ!」
 

混乱から叫び倒す。
 

――在義父さんは、「誕生日の日、咲桜は笑満ちゃんのところってことにしておくよ」と言ってくれた。


のだが、その「しておくよ」の対象が夜々さんであって、流夜くんが在義父さんに頼んだ翌日から、以前にも増して、学内で受ける夜々さんの視線が射殺されるかと思うくらい冷えたものになったことは、私は知らなかった。

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