誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「どうするって?」
「岡嶋さんがお前の母親だとしたら、先生と別れた後、再婚なんかしてない。ひとりで大阪で暮していて……たぶん、ひとり娘に会いたいと思ってる」
「っ……!」

 小春の全身が大きく震えた。

(会いたい……!? お母さんが私に、今さら!?)

「どうして私に、そんなことを決めさせようとするのっ!?」

 思わず大きな声で叫んでいた。

 ついさっき、虎太郎に説明したように、小春は母のことを恨んでいるわけでも憎んでいるわけでもなかった。それは母は小春にとって、自分の前を通り過ぎてしまった、手の届かないところにいる、存在だからだ。
 だから仕方ないと、諦めていたのだ。

(なのに……どうして……!?)

 今さら自分の事を思っているかもしれないなんて言われて、どうして平静でいられるだろう。

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