誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
(でも、なにしに来たんだろう……?)
小春は不思議に思いながら、冬空にも映える山邑リゾートの建物を見つめた。
先に車から降りた閑が手を差し伸べる。
「お手をどうぞ」
「あっ、ありがとうございます」
ホテルのエントランス前でタクシーを降りたところで、まるで見ていたかのようにドアが開く。そして中からドアボーイが姿を現した。
そして「お荷物を運びます」と、小春と閑の荷物が運んでいく。
(えっ……荷物くらい自分で持てるんだけど……。もしかしてレストランで食事をするってことなのかな。だったら嬉しいな。一度行ってみたかったし!)
山邑リゾートのイタリアンは、小春も噂には聞いているが、相当な高級店である。
小春はドキドキしながら、閑と一緒にホテルの中へと足を踏みいれた。
「神尾様、いらっしゃいませ」
それなりの地位を感じさせる、初老のホテルマンが近づいてきた。
それを受けて、閑はにっこりと笑う。
「突然にすみません。無理を言いましたよね」